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数年前から色々集めていたオールドレンズ。

中でも今はなきカメラメーカーの純正レンズ。

少しはラインナップが揃ってきたので、撮り比べしてみました。

第1弾は Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5 と、MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

ペトリ製とミランダ製のレンズ

あまりまともな評価は見かけない日本製レンズです。

標準レンズの評価はそれなりにネット上でも見かけるのですが、その他の焦点距離のものとなるとほぼ皆無。

あくまでも個人的な感想ではあるのですが…



そもそも、開放絞り値が半絞り MIRANDA の方が明るいので、厳密な比較じゃないのですが…

たまたま持ち出したのが、この2本でしたので…

それぞれに独自のレンズマウントを採用しているレンズの為に、使うとなると多少なりとも工夫が必要になってくるレンズです。

Petri の方は、ジャンクカメラから、マウント部品を取り外して作った自作のヘリコイド付きマウントアダプターを使用。

MIRANDA の方はたまたまこのレンズを入手した際に付いていたマウントアダプターを改造して作った自作のヘリコイド付きマウントアダプターを使用しています。

本当は他のレンズも試してみたかったのですが、図らずも風景写真を撮ろうと持ち出した 28mmレンズ同士の比較になってしまいました。



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左 Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5  右 MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8
弱小メーカーでマウントアダプターもほとんど発売されておらず、使うには工夫が必要なレンズたちです。





彩度が高く、空間の拡がりを感じさせるどちらかというとバター臭い描写の Petri に対して、水墨画の様などこか淡い東洋的な発色、描写の MIRANDA といった印象。

同じ風景が、かくも違って見えるのかね?

といった感じさえします。

今回は高松市の栗林公園で比較テストしてみました。

天気は晴れたり、曇ったり…


使用カメラは Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5 が SONY α7、 MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8 が SONY α7Ⅱ

クリエイティブスタイルは、ビビットで設定は同じにしています。




レンズは開放絞り

ヘリコイド付きマウントアダプター使用の為、近接撮影ではレンズの悪い癖が出まくっているとは思います。


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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5
逆光ぎみに撮ると Petri は不思議な虹色のフレアーが出ます。

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8
MIRANDAは… 内面の遮光処理が良くないのかな?

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8

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Petri Petri CC AUTO 28mm F3.5

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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8
でも、そんな MIRANDA ですが、広角レンズには比較的珍しいぐるぐるボケが出せます。
これは魅力! (あくまで個人的にですけど。)



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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8 にて
使い方によるでしょうけど、これは魅力です。


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MIRANDA AUTO MIRANDA 28mm F2.8 にて
まるで金田一耕助の世界に入り込んだ様な描写もできます。

こうして比べてみると、意外に Petri のレンズは現代的に見えてきます。
それに比べて MIRANDA の妖しさったら… 


どちらが良いかではなく、それぞれ被写体に応じて使い分けるのが良い様で…


昔はカメラメーカーを決めると、そのマウント縛りでそのメーカーのレンズしか使えなかったのですが、ミラーレスカメラだと、こんな比較も出来ますねぇ。


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【2020/01/29 23:59】 | オールドレンズ
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フランツ・カフカと言っても、僕は『変身』くらいしか読んではいないんだけど…

カフカはその40年の生涯で、未完の長編小説3篇と『変身』をはじめとする短編小説を残しています。
ただ、生前には小説家としては認められていなかったとの事。

肺結核で1924年に亡くなっていますが、その最後の時期を過ごしたのが、ドクターホフマンのサナトリウムだそうです。

そんな舞台を観てきました。



以下、ネタバレ含みます。



物語は、未発見の第4の長編小説が見つかった事から始まります。

設定は複雑で、物語の世界と、現代、そして、カフカの晩年と3つの時代が交錯するというもの

正直ついていくのは大変ですが、面白い舞台に仕上がっていました。


特に核となる長編小説の物語。

いかにも当時の小説の切り口で、しかもカフカのテイストたっぷりかと…

『変身』を読む限り、その救いの無い世界感に絶望的な気分になってしまうのですが、そのモヤモヤとした希望の持てない世界が拡がっていきます。

その世界観も、彼の人生とその境遇を知ると、さもありなんという気持ちになってきます。

カフカはプラハ出身のユダヤ系ドイツ人で、3人の妹たちは後にアウシュビッツ収容所でナチスドイツのユダヤ人撲滅計画の毒ガスの餌食になっています。

第一次世界大戦の痛手からようやく復興を遂げようとしていつつも、戦争の影響がまだ色濃く残る時代。
そんな時代だからこその世界観だったのかも知れません。


出演者の中に、緒川たまきさんと、犬山イヌ子さんの名前を見つけ、物語が進むうちに、どこかで見たテイストだと感じました。

休憩時間に調べて納得。

テレビ東京 ドラマ24で放送された『怪奇恋愛作戦』!

『宇宙犬作戦』でメガホンを取った濱谷監督のプロディース作品でした。

出演者にはもちろん緒川たまきさんも、犬山イヌ子さんもいらっしゃいますし…

その脚本が、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんでした。

たぶん、濱谷プロディーサーとの繋がりで視ていなければ解らなかっただろうなぁ…と、ひとり妙に感じ入っていました。

緒川たまきさんが良い雰囲気を醸し出しています。

あの大きな瞳で一点を見つめて、小首をかしげるだけで、何か不吉な事が起こりそうですから…

確かに迷わされそうなんだよなぁ… 道も、時代も…

そこに変幻自在の犬山イヌ子さんが入ってきて…

渡辺いっけいさんのキレのある動きも魅力的だったし、もちろん我が音尾琢真さんの演技も変幻自在。

全体に重々しい空気が漂う世界なので、あれで大倉孝二さんが居なきゃ、正直キツかったかも…


舞台中で、主人公たちが石を投げられるのも、パレスチナへ向かう話が出てくるのも、ユダヤ人ゆえ。

意味分かんない~
と言っていた人も居たそうですが、第二次世界大戦前後の時代を知っていないとなかなか理解は出来ないだろうなぁ…


果たして、恋人たちはは無事逃げ切れたのか?

物語のエンディングは、カフカ死後の話になりますから、果たしてどうなったのか?

興味は尽きません。

そんな謎めいた素敵な舞台でした。


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【2019/12/05 14:08】 | 観劇
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オールドレンズにすっかり嵌まっていますが、これも35mm版フルサイズのレンズ交換式ミラーレスデジタルカメラがあればこそ…

そもそもこの35mm版フルサイズという規格、オスカー・バルナックという病弱な技術者が、軽量小型で持ち運びやすいカメラを作る為に開発したものです。



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Leica Ⅲf型
バルナック ライカ (写真はネットより拝借)

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ContaxⅠ型
コンタックスⅠ型  (写真はネットより拝借)

彼がこのカメラを思いついた当時、カメラとは、大きな暗箱にレンズを取り付けたものであり、撮影する為にはその大きな暗箱を現地に運んで、三脚に載せ、ピントグラスに上下左右逆さまに写る像を見ながらピントを合わせ、感光剤を準備して取り付け、レンズのシャッターを切る(もしくはレンズキャップを付け外しして)写真を撮るという、大変な労力を必要とするものでした。

バルナックの時代には、さすがにフィルムが開発されていましたが、写真はなかなか気軽に撮影する事は出来ないものでした。

そんな中、バルナックは開発著しい35mm版映画フィルムを使用して、自身が持ち運びやすい小型軽量のカメラの開発を行おうと決意します。

しかし、それは茨の道でした。

当初、名門光学メーカー Carl Zeiss(カール・ツアイス)に就職し、その当時試作品を作ったと言われています。
後 Ica AG(イカ)に出向した際に、社長に自ら考案したカメラの商品化を持ちかけますが、その市場性に理解が得られず拒絶され、結局ツアイスを退社し、新興の Ernst Leitz(エルンスト・ライツ)社に入社。
ここでめでたく自ら考案の小型カメラの生産に漕ぎ着けます。
これが有名な Leica(ライカ)の誕生でした。

そんな新興メーカー Leica に対して、ドイツ光学界の雄 ZEISS は同じフィルム規格ながら、ライバル打倒を目指し、Contax(コンタックス)カメラを発表します。

Contax はフィルム規格以外において、Leica の持つ特徴を全て否定する事から開発をしたのではないかと思うくらい、真逆の設計方針を貫いています。

Leica の丸みを帯びた優美なボディデザインに対して、ほぼ長方形の角ばったデザイン。
Leica の右回しで締め付けるネジ式のレンズマウントに対して、左回しでレンズを固定するバヨネット式のレンズマウント。
Leica の横走りゴム引き布幕のフォーカルプレーンシャッターに対して、縦走り金属製のよろい戸式のフォーカルプレーンシャッター。
Leica の基線長が短く望遠レンズに不向きだった距離計に対して、カメラ幅一杯に使った長機長の距離計(これは長所)。

まるで、Leica の存在をことごとく否定するかの様なカメラでした。

ひょっとすると、後発メーカーである筈の Leitz のヒット作に対する老舗メーカーのやっかみじゃないかと思うくらいの徹底した否定ぶりです。

使い勝手は、今となってはどちらも快適そのものとは言えず、数々のルールに縛られている箇所があり、取り扱いに気を使わなければならないカメラですが、当時としては軽快で優れた操作性を誇りました。

そんな35mm版の雄ですが、Leica はともかく、Contax には許せない点が…

レンズマウントの回転方向です。

当時、Leica のコピーは星の数ほど出たのですが、その殆どは Leica を模したスクリューマウントでした。
これは39mm径のインチピッチ(ドイツ製でありながら、メートル規格ではなかった!!)のネジ式で、当然ながらレンズの締め付けはカメラのレンズマウントに向かって右回りになります。

世に存在するネジのほとんどは、右回しで締め付ける、いわゆる 『の』の字締めです。

Leica もそのルールに当然の如く則り、カメラ、引き伸ばし機など関連商品のレンズマウントに統一した39mm径のネジを採用しました。

Contax は二重バヨネット式のスクリュー式とは一線を画する進歩的なマウントを採用したのですが、どうした訳か、マウントの締め付け方法はカメラのレンズマウントに向かって左回し。

Leica なんぞにうつつを抜かしているヤツなんぞクソ喰らえ!
ZEISS こそが世の基準!

と云わんばかりの独自設計なのです。

レンズのヘリコイドや、絞りのリングの回転方向ならば、そう問題ではないのですが(慣れの具合で速写性は損なわれてしまうかも知れませんが…)レンズの場合、外れて落としたら基も子も無いですから…。

現に一度、Contax マウントのソ連製 Jupiter 12 35mm F2.8 のロックが外れているのに気付かず、レンズを落としてしまった事がありますが、こればかりは危険すぎて、感覚的に受け付けられません。
(使うのに怖いので、同レンズは Contax マウント → LEICA M マウントアダプターに接着取り付けしてしまいました。)

しかも、標準レンズは内側にマウントし、それ以外の広角レンズ、望遠レンズは外側にマウントするという二重マウントを採用しています。
標準レンズの場合、

「カメラ側のヘリコイドを利用しろや!」

と、言う事なのです。

そんな Contax マウントに追従したのが Nikon でした。
(厳密にはフランジバックが若干異なりますが…)
マウント形状は同じもので、やはり左回転でレンズを固定します。

どちらも軍事用光学兵器メーカーの製品ってのは共通しているのですが…


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Nikon S3 ニコンの距離計連動機 (写真はネットより拝借)


独自路線は面倒くさくって仕方ない。

レンズのマウントの取り付け方向が世の数あるカメラメーカーと逆ですし、ヘリコイドの回転方向も逆。

ヘリコイドの回転方向はオートフォーカスにカメラが進化した事で、扱う機会が減り、その煩わしさからは解放された気がしなくはないですが…
(でも、オールドレンズの場合には多少なりとも問題にはなってきます。)

Nikon は後に、距離系連動式カメラから、一眼レフカメラに移行した際、新たに作り上げたFマウントも同様のレンズの取り付け方式としました。

実に面倒くさい…(笑)

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Nikon F
名機 ニコンF (写真はネットより拝借) 日本のカメラ史に敢然と輝く名機ではあるのですが…


流石にレンズ落とすのも嫌なので、Nikon だけは検討しない事にしています。

新たに発表されたZマウントも同じ左回しで、レンズを締め付ける方式でしたね。

センサーサイズのフォーマットも、Nikon 独自の名称だし、歩み寄る気は無いのでしょうね。

でもカメラは兵器じゃないんだから…


Nikon 最初の一眼レフカメラ Nikon F 発売後、そのシャッターボタンの位置が悪くて、指が曲がる人が出たくらいですからねぇ。

光学兵器恐るべし。

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Nikon S3のシャッターボタン周辺
(写真はネットより拝借)

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Nikon Fの上面 シャッターボタンは限りなくボディ後ろ寄りで扱いにくそう…
(写真はネットより拝借)
この後のF2からはボディ前面寄りになって扱いやすくなっています。
(でも、Fのユーザーからはクレームがついたそうです。)


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【2019/11/30 22:32】 | カメラ
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2019年のレンズ交換式カメラの売上、販売台数のデータが公表されましたが、今までとはかなり様相が異なる様です。

携帯電話、スマートフォンの普及でカメラ市場そのものが縮小していく中、長年トップシェアを誇ってきた Canonと、Nikonが大苦戦しています。

特に光学機器に特化している Nikonの苦戦ぶりは相当なものらしく、会社の存続にも関わりかねない様子です。


キヤノン、ニコンともに惨敗のフルサイズ戦争この1年
Canon、Nikonといえば、一眼レフカメラを主力とする高級カメラでその地位を確立してきました。
特に報道部門での強さは圧倒的で、一説によると、Canon、Nikon以外のカメラは、カメラとして認めてもらえなかったという話もあります。

今までは一眼レフカメラこそが、フィルム時代からデジタルカメラになっても、高級カメラの代名詞だったのですが、デジタルカメラになって、事情が異なってきました。

今、主流となりつつあるのはミラーレス一眼レフカメラ。
従来の一眼レフカメラに比べ、構造的に小さく、軽く作れるのです。

一眼レフカメラとは、撮影レンズを通した光をミラーで跳ね上げ、その像をファインダーで確認して撮影するカメラですが、ミラーレス一眼カメラにはそのミラーがありません。
撮影する像は、レンズから直接センサーに送られ、その撮影センサーの画像そのものをファインダーや、背面液晶モニターに表示します。
その為、一眼レフカメラと異なって、ファインダーの像は、センサーサイズと同じ100%表示が可能であり、また絞りなど設定変更による撮影条件の反映確認が出来るのです。

一眼レフカメラの場合、ファインダーの作り方によって、センサーサイズ100%の像を得る事は難しく、縦横比100%のファインダーを作るとすると重く非常に高価なものになってしまいます。
これは、ガラスブロックのペンタゴナルダハプリズム(いわゆるペンタプリズム)を使って、細心の注意を払って加工を行い、組み付けなければならないからです。
比較的安価な一眼レフの場合、ガラスブロックではなくミラーを組み合わせたペンタプリズムを使用しています。
しかし、この場合、拡大率が小さくなってしまい、ガラスブロック製のものに比べると得られる像が小さくなってしまう欠点があります。

また、一眼レフカメラの場合、絞りの設定変化の具合の確認は出来ません。
(絞りの効果はプレビューは出来ますが、同時にファインダー内も暗くなってしまうのと、ファインダースクリーンの出来栄え如何によってはその反映は難しく、撮影結果とは微妙に異なってしまいます。撮影する時にはバッチリと思ったのに出来上がった写真にガッカリなんて事はザラでした。光学式ファインダーでの厳密な効果の確認は難しいと言えます。)

フィルム時代には、他に方法が無く一眼レフカメラはあらゆる用途に応用の利く万能カメラだったと言えますが、デジタル時代になってより優れたカメラが生まれたという事です。
(まだまだ改良の余地は残されてはいますが…)

特に SONY はフルサイズミラーレスカメラに注力していて2013年にα7/α7Rを発表して以来、世代を重ね、既に3~4世代を重ねています。
2018年になって、Canon、Nikon、それに Panasonic、LEICA、シグマがフルサイズミラーレス機を相次いで発表しましたが、技術の出し惜しみをする事無く新製品を投入し続けた SONY は Nikon のシェアを抜き、業界2位に浮上してきました。

特に最新機種(α7 Ⅲ世代以降機やα9シリーズ、α6100、α6400、α6600)に搭載されている瞳AF(オートフォーカス)や毎秒20コマのサイレント撮影(α9など)はミラーレス機じゃなければ実現出来なかった機能だと言えます。

従来の一眼レフカメラの場合、メーカーの提供するレンズマウントに対して、他社のメーカーのレンズを取り付けると機能制限が大きく、また、フランジバックが合わないので基本的に他社のカメラメーカーのレンズの取り付けは不可能でした。
また、カメラメーカーの側もそうして自社のレンズマウントを特化する事で、ユーザーの囲い込みを行い、ユーザーが他社へ乗り換えるのを防ぐというのが従来のビジネスモデルでした。

一眼レフ機の場合、ファインダーの光量確保の為にファインダー使用時には絞り開放し、撮影と同時に絞り込みを行い、撮影終了後に絞りを開放に戻すという動的な機構がレンズ側に求められます。
また、露出制御の点から絞り値をレンズからカメラに伝えたり、オートフォーカスの為にレンズ側にモーターを仕込んで動かす必要もあり、そうした制御をカメラとレンズの間で行う為に他社製のマウントへのマウンアダプターの製造は難しいと考えられていました。

ところが、ミラーレス機の場合、一眼レフカメラとは異なり、カメラ内にミラーが無い為、レンズを取り付けるためのレンズマウントのフランジバック(レンズのマウント面からセンサーまでの距離)を短くする事が可能であり、マウントアダプターを介せば、他社のレンズも容易に取り付けが可能になります。
また、絞りに関しては使用したい絞り値のままセンサーでモニター出来る為、わざわざ絞りを開放する必要も無くなります。
こうした動的な連動が少なくなり、またマウントの情報が開示された事で一気に使えるレンズが増えてきたのです。

SONYはミラーレス機用のマウントであるEマウントの情報を開示して、他社の参入を歓迎した結果、サードパーティーのレンズ専業メーカーが参加したのみならず、そうしたサードパーティーのメーカーの作ったマウントアダプターを介して Canon や Nikon のユーザーの持つレンズも使用出来る様になってしまいました。

社外品であるサードパーティーのマウントアダプターを介せば、Canon や Nikon のレンズでも問題無くオートフォーカスが行なえ、機能低下をする事無く使えてしまうのです。
このマウントアダプターの効果は大きかった様で、多くのプロを含むカメラマンがサブ機として SONYαを使いだしました。

対して、満を持しての発売となった Canon R/RP とNikon Z7/Z6 ですが、こちらのマウントの情報は開示されていない様です。
つまり従来のビジネスモデルを踏襲した訳です。

また、一眼レフカメラとの喰い合いを防ぐ為に、技術の出し惜しみしたのも仇となった様子です。

あの巨頭ですから、何らかの反撃はしてくると思いますが、さてどうなるのやら。

興味は尽きません。


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【2019/11/29 22:28】 | カメラ
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オールドレンズについて、少しご説明を。

今のレンズとは違って、オールドレンズには特徴的なボケや描写をするものがあります。

そして、それこそがオールドレンズの魅力と言えます。

そもそも、オールドレンズと言うと、昔生産されていた古いレンズという意味ですが、厳密な定義はなく、一般にはマニュアルフォーカスの30年前くらいまでのレンズを指すと考えています。

今のレンズはコンピューターを使って、光路設計を行い、レンズの諸収差(描写に問題となる悪いクセ)を極力取り除く様にしています。
材料の光学ガラスも多種多様な改良が図られ、非球面レンズも一般化しつつあります。
また、マルチコーティングのおかげで透過率が高くなり、逆光にも強くなっています。

(コーティングとは光学レンズ表面に薬剤を蒸着させ、光の通過率を高め、色調を整える技術)

しかし、古いレンズはレンズ設計を手計算で行っており、その為、計算能力が充分とは言えず、レンズ設計技術者が、勘と経験を頼りに、レンズの組み合わせを考え、試行錯誤を繰り返した上で、作られたものが多く、設計者の個性や、考え方が如実に現れていると言えます。

また、時代によっては、使用している光学ガラスの性能が充分でなかったり、コーティングがされていないレンズもあります。

結果として、諸収差の補正が不充分だったり、逆光に弱かったりして、それが特徴的な描写に繋がっています。

その極端な例が、バブルボケ、ぐるぐるボケといったものです。

バブルボケだと、Meyer Optik Golritz のTrioplan、Domiplan、後継のPENTACON製のものなど。
ぐるぐるボケだと、Carl ZeissのBiotarや、そのソ連製改良版のHerios40/44と言ったレンズが有名です。


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バブルボケの一例 PENTACON AV 100mm F2.8使用

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ぐるぐるボケの一例 Tair11 133mm F2.8使用


国産のレンズで、30年前くらいのものとなるとコンピューター設計となり、ガラス材の性能やコーティング技術も向上しており、現在のレンズとほぼ遜色ない性能で、オールドレンズらしさが無いものが多くあります。

ただ、ソ連製や東ドイツ製などのレンズの場合、コストダウンの為のモデルチェンジしか行われず、ソ連崩壊、東西ドイツ合併まで性能向上目的のモデルチェンジは殆ど行われませんでした。
その為、そのレンズ開発当時の特徴がそのまま残ったものも数多くあります。

オールドレンズの紹介では、これらの不思議な特徴を残したレンズが殊更強調されて紹介されています。

それじゃ、その他のオールドレンズでは出来ないのかと言うと、案外そうではなく、効果の差はあるものの、他のレンズでも作る事は出来ます。

こうした極端なクセのあるレンズも、遠景を絞りを絞って撮影すれば、それほど酷いクセは出ないのですが、近景を絞りを開けて撮影すると、そうしたクセが強調される場合が多くなります。

最近のオールドレンズブームで、バブルボケやら、ぐるぐるボケするレンズが人気となっており、中でも、M42マウントのレンズはユニバーサルマウントとして数多くのカメラメーカーに採用されていた為、比較的汎用性が高い事もあり、価格も上昇してきつつあります。
ただ、その中でもソ連製レンズや、東ドイツ製のMeyer Optik Golritz/PENTACONのレンズは50~30年程前に乱造されていた事もあり、余程拘らない限りはまだまだ安価に入手出来ます。
最も、後期には極端に安価に大量生産されていたものもあり、その状態をきちんと判断する必要はあります。

国産のレンズを含め、特徴的な描写をするものはコンピューター設計以前のものが多いのは先述した通り。

昔は、35mm版フィルム使用のレンズ交換式カメラでは、距離計連動式カメラのLeica(ライカ)マウント(φ39スクリューマウント、俗にL39マウント)や、Contax(コンタックス)マウント。
一眼レフカメラの時代になると、PRACTICA(プラクチカ)マウント(φ42スクリューマウント、俗に M42マウント)や、EXAKTA(エキザクタ)マウントといったレンズマウントがユニバーサルマウントとして、多くのカメラメーカーが採用し、また、多くのレンズメーカーがレンズを供給し、お互いに違うメーカーのカメラとレンズを組み合わせて使う事が出来ました。

特に、35mm映画用フィルムを使ったカメラのパイオニアであったLeicaスクリュー (L39) マウント、そして一眼レフカメラ時代の先鞭をつけたPRACTICA (M42) マウントはいずれもスクリューネジ式のマウントであり、工作が簡単であった事から多くのカメラメーカーに支持され、多数のレンズメーカーが、これらのカメラメーカーにレンズを供給しました。

ところが、カメラの性能が上がるにつれ、カメラとレンズ間の連携が必要となり、また、それぞれのカメラメーカーの思惑から、ユーザーの囲い込みを目指していった為、次第にレンズマウントの互換性が失われてしまいました。

あるメーカーのカメラを買うと、そのカメラメーカーのレンズを買わないと使えないという事になって行きました。

例えば、Nikon(ニコン)だとFマウント、Canon(キャノン)だとEFマウントやFD/FL/Rマウントと言った具合です。

マウントアダプターを使えば他社製の交換レンズを使えはするのですが、それは機能制限があって使い難くなります。

スクリューネジ式のM42マウントも例外ではなく、日本製のPENTAXとFUJICAではそれぞれに開放測光の方式が異なった為、同じM42スクリューマウントでも交換しては使えないなんて状況も生まれてしまいました。

ところが、デジタルカメラの中でも、ミラーレスレンズ交換式カメラの登場により、デジタルカメラで古いレンズがほぼ制限無く使用出来る様になりました。

当然、マウントアダプターは必要にはなるのですが、オートフォーカスを使わないのを厭わなければ、星の数ほどあるオールドレンズをマニュアルフォーカスで使う事が可能です。

特に SONY α7シリーズが登場してからは、35mm版オールドレンズが、そのままの画角で使える事から、ますますオールドレンズに嵌まる人が増えた様に感じます。
僕もそのひとりになるのでしょうが…
(更に2018年にはNikon、Canonも35mm版フルサイズのミラーレスカメラの発売を開始しました。)

なぜ、ミラーレスカメラの時代になって、昔のカメラの交換レンズが使える様になったのでしょうか?

秘密は、フランジバック。

一眼レフカメラの場合、レンズを通した光を反射鏡で跳ね上げ、さらにそれをペンタプリズムで2度折り曲げてファインダーで覗く事になります。

ミラーレスカメラの場合、レンズを通した光を直接センサーで捉えて、その画像を背面モニターか、ファインダーのモニターで確認出来ます。

一眼レフカメラと異なり、反射鏡や、ペンタプリズムの必要が無くなり、レンズマウントからセンサーまでの距離(これをフランジバックと言います。)が短く出来ます。

フランジバックが極端に短くなり、小型計量なカメラを作る事が出来、さらに多くのマニュアルフォーカス交換レンズが使える様になりました。

ですから、マニュアルフォーカスでのピント合わせさえ厭わなければ、昔のレンズが使える訳です。

カメラに依っては、ファインダーの拡大表示や、ピーキング機能がついており、一眼レフカメラでは出来なかったピント合わせのサポート機能もついています。

最新のデジカメを使って、時代を越えて、古のお気に入りのレンズを使って、じっくりピントを合わせて写真を撮る事が出来るのです。

フィルム代、現像代を気にせず撮影出来、また、そのレンズの特徴、クセ、仕上がりをモニターで確認しながら撮影出来る、そんな夢の様な時代がやって来ました。

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夢を拡げてくれるマウントアダプター各種
(これらは自作したものですけども…)


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【2019/01/04 23:35】 | オールドレンズ
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