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WARRIOR

とうとう最後の公演場所に到達して、メディアに散々露出したのでもう良いかと…。

(以下ネタバレです。まだ観ていない方、観たくない方はどうかスルーをお願いします。)



















さて、TEAM NACS 3年ぶりの本公演。

大泉洋脚本の「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」から3年。
モリの脚色となると前作「HONOR」からだと実に5年ぶり。
(脚本は宇田学さんの手によるものですが…)


戦国末期に天下統一を目指した5人の武将(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、明智光秀、柴田勝家)を軸にストーリーが展開します。


史実を下敷きにしていますが、「LOOSER」同様フィクションです。
しかし、こちらの方がリアルかな。

先日サントラも発売されましたけど、ボーナストラックが実に7曲。
良い曲もあるのですが、泣く泣くカットされたと思われる曲の中には「金が崎の戦い」のタイトルもある事から、随分ストーリーを煮詰めるのに苦労した事が感じられます。

もちろん、限られた時間の中で、織田信長の一代記を構築するのは本当に困難だった事でしょう。

そう考えると、「金が崎(かねがさき)の戦い」や「賤ヶ岳(しずがたけ)の戦い」がごっそり省略されてしまったり、史実には無い美濃焼討ちやら、「三方が原(みかたがはら)の戦い」と「長篠(ながしの)の戦い」がごちゃ混ぜになってしまったのは仕方ないところ。

秀吉びいきの身としては、劇中、抜け目が無く、小悪人で狡猾という秀吉のキャラクターに納得行かない部分はありますし、能天気でおバカな柴田勝家も史実とはおよそ異なりますが、それはそれ、フィクションだから良しとしましょう。

なんといっても圧巻だったのは信長役のシゲさん。
これは凄い存在感だった。

僕は5月3日の大阪公演と、5月8日の高松公演を観たのですが、大阪は1階ほぼ最終列下手、高松は2列目中央という引きとアップが比較できるという最高の席で観劇出来ました。
高松では席の場所から信長公の真ん前という関係もありましたが、とにかく信長公に釘付けでした。
本能寺の変で濃姫が切られ、光秀が必死の介抱をするのですが、このシーン、信長越しに光秀、濃姫を見ているとよく判りますが、光秀の濃姫にかける言葉に信長が表情を変えていきます。
光秀に心を寄せながらも政略の道具となった濃姫。
濃姫への思いをこらえきれず口にする光秀と、それまでの態度、言動からはとても愛しているとは見えなかったものの、その実、心では思い続けていた信長…。
絶妙なロケーションだっただけに、この2人の演技は本当に素晴らしいものでした。
一番の見所だった気がするのですが、DVDで果たしてこれが入るのか? 

大いに不安。

未見の方は是非、この時の信長公の表情の変化を見て欲しいと思います。
それだけ、信長の気持ちが伝わってくる好い演技でした。

それに殺陣。
シゲさんこういうの好きなだけに、そこに荒武者のままの信長が実在するかに思えたほど。
太刀さばき、間のとり方も実に好くって見ごたえありました。


凄かったといえば、安田さん演じる徳川家康もそう。
開演そうそうに真の家康は信長に殺されます。
その後、信長が影武者を立てるのですが、その影となった男の苦悩が始まります。
安田さんがこれを見事に演じ分けましたが、その演技は鳥肌ものでした。

家康の影となった男は戦いを避け、逃げ、果ては子にまで愛想を着かされ、結果、多くの部下を死なせてしまい、妻子をも信長の命で殺さざるをえなくなり、自らの無力に懊悩します。
最後に影の家康は、武将として生きる事を決意するのですが、その決意の前と、後ではまるで別人。
眼つき、立ち姿まで異なり、全くの別人がそこにいました。
すごい役者だわ、安田さん。
もちろん間近だったので、たっぷりと安田汁も拝見しましたが…。


勝家殿は豪放磊落な豪傑ですが、おマヌケな狂言回しの役まわり、ご本人は史実では秀吉と権力争いの上「賤ヶ岳の戦い」で敗れるのですが、信長に愛されるじいとして描かれています。勝家殿のおかげで随分とストーリーが和やかになっているのは間違いないところ。
これはモリ以外じゃ無理でしょう。おかげで髄分と笑いましたもの。
女房の見た回では懐かしさのあまり、家康に抱きついた際に、家康の帯が解けるトラブルがあった模様。
しかし、底抜けな器量の大きさを感じさせてくれるのは、やはりモリならでは。


そんな勝家殿を羨望のまなざしで見つめる小猿 秀吉。狡猾で人を騙すのも厭わない、ものは盗む、嫌ぁな奴として描かれています。
札幌では勝家が信長からコンパスを拝領し、それを秀吉が羨望のまなざしで見ているというシーンがあったそうなのですが、大阪以降では無くなっていました。ただ、その後のストーリーとのつながりを考えるとそのシーンは残していた方が良かった様な気がします。
個人的には、この秀吉像はなんだかなぁって感じですけど…。


最後に明智光秀。
各公演地で雨をもたらし、大泉さんの雨神様伝説は健在と思っていたら、劇中でここまでフューチャーしているとは…。
そりゃ、各地でリンクしますわ。
大泉さんの演技の上手さには定評があるのでここで書く必要も無いかな。
しかし、満月の月を見ながら4人が屋根に腰掛け、酒を飲むシーン。
高松公演の時に、顕ちゃんが縁端に腰掛ける際にするりと下の段に落ちてしまって、

「落ちちゃいました…。」

そのまま何事もなく進めても問題なかったと思うのだけど、顕ちゃんまさかの告白。
結局、芝居は顕ちゃんがくるりと回りこんでもう一度腰掛けて続けたのですが、「落ちちゃいました。」と言われた時の洋ちゃんの慌て様が尋常じゃなく、余計におかしくなってしまいました。

そう言えば、他の武将達の衣装は、いずれも大柄の模様の衣装であり違和感は感じなかったのですが、彼だけはどう見ても女性用の小紋柄の花を散らした衣装(まるで大奥の女性の打掛みたいな)を召しています。
どうやら、濃姫に対する光秀の恋情(元々は濃姫の持ち物だったものを仕立てたのでは?)をこの衣装で表現していたのでは無いか知らん。


そうそう、信長の着ていた衣装、大きな牡丹の模様の入った黒の小袖なのですが、近くで見ると紗綾形(さやがた)の地模様がありました。
調べたところ、紗綾形模様(遠山の金さんのお白州の後ろのふすまに描かれている模様と同じ物、卍を崩した模様と言われています。)秀吉の桃山時代に流行った柄なのだそうで、ひょっとしたら時代を先取りした信長の気質を表現する為なのかと勘ぐってみたり。
(家康の羽織にもこの紗綾形の地模様がありましたが、これは信長拝領の品と考えると説明がつく…)
衣装もかなり凝ったものになっていた気がします。
信長の陣羽織は(後に秀吉が羽織っていますが、)模様がすごく複雑で、蝶の羽か、扇と車を組み合わせた様な模様の金刺繍ですし、小袖の袖の内は水色、裾の裏地は赤というすごいもの。
羽織っていたマントは表裏共に黒ですがこれも草木の刺繍が入っていました。
太刀は濃い赤の鞘に金粉を散らしてありましたし。
やっぱり衣装や小物に眼が行ってましたね。

まだ資料としては全然足りないけど、多分作るんだろうなぁ…。


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【2012/06/01 21:45】 | TEAM NACS
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