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SONY α7ⅡのEレンズマウント

僕がSONYのα7/α7Ⅱを使い始めたのは、コレクションしていた古のMINOLTA製マニュアルフォーカス用レンズをデジタルカメラで蘇らせるのにピッタリな規格のカメラだったからです。
α7シリーズに搭載されているレンズマウント、通称、EマウントはSONYの新しいレンズマウントシステムとして、NEX-5/NEX-3の発売と共に登場しました。
それは発表当初より、35mm版フルサイズにも適合するマウントであるとアナウンスされていました。
当時、既にデジタル一眼レフカメラを使っていましたが、2本のズームレンズで広角~望遠までを概ねカバーしていたものの、MINOLTAのマニュアルフォーカス用の各種レンズの描写は捨て難く、その後もフィルム用一眼レフと併用していたので、ちょっとカメラを持ち出すのにも、カメラ数台と、レンズ数本の組み合わせとせざるを得ず、結構な機材となってしまっていました。おまけにフィルムだと現像代も嵩んでしまうので、女房からは白い目で見られていました。

2013年11月に待望の35mm版フルサイズのミラーレスカメラ α7/α7Rの登場となるのですが、発売当初は専用の交換レンズがたった2本しかなく、交換レンズが無いカメラだと、各所から随分と酷評されました。
しかし、世界中の35mm版(135版)カメラ用レンズを使うのに最適なカメラだし、これまで世界中で発売された数多くの35mm版レンズが、マウントアダプターを介する事で本来のイメージサイズのまま、デジタルカメラ用レンズとして使用出来る 初の夢のカメラなのにと、その評価には非常に強い不満を感じていました。
と、言うのもEマウントは35mm版フルサイズのセンサーを搭載しているにも関わらず、レンズマウント面~センサー面までの距離(これをフランジバックといいます)が極端に短く、マウントアダプターを介する事で、簡単に数多くのレンズを使用することが出来るのです。
1年後にはそのセンサーが手振れ補正機能付きのMk.Ⅱシリーズが発売され、その魅力が更に増しました。
レンズの焦点距離を入力さえすれば、例えどんなに旧式のレンズであっても、それに見合った手振れ補正機能が得られるのですから…
その後、Eマウント用レンズも随分と拡充されましたし、同じSONYの従来のAマウントレンズもアダプターを介して、ほぼ機能低下無しに使えます。
更にサードパーティーからも続々と各種のマウントアダプターが発売され、オールドレンズをデジタルカメラ化する為の貴重な母艦カメラとしての人気を不動のものにしつつあります。
中にはライカMマウントレンズをAF化するマウントアダプターなんてのも発売されて、工夫次第では、他社のレンズアダプターをも組み合わせれば、総重量500gまでという制限はありますが、ライカレンズのみならず、多くのレンズのAF化も夢ではないといった様相まで呈してきています。

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Eマウント用マウントアダプター(左はminolta MDマウント用、右はエキザクタマウント用)

さて、本題に戻りましょう。
レンズ交換式のカメラですが、各社各様のレンズマウントを使用しています。

元々ドイツのエルンスト・ライツ社がライカを発表して、こうした35mm版レンズ交換式カメラに先鞭をつけたのですが、その後、多くのカメラメーカーがこれに追従し、ライカの採用したスクリュー式(ネジ式)レンズマウント(ライカマウント=通称Lマウント)を採用しました。
カメラ用のみならず、引き伸ばし機にもこのマウントは引き継がれ、その後、多くのカメラメーカー、レンズメーカーがこのLマウントのスクリューマウント用のレンズを製造しました。
ですから当時のカメラだと、カメラメーカーが違っても、レンズは共用できるものが多くありました。
(ライバルメーカーのカール・ツアイスのコンタックスとニコンSシリーズは除く)

ところが、戦後、エルンスト・ライツ社が、新型カメラ ライカM3を発表し、バヨネット式(爪式)マウントを採用した事から話がややこしくなっていきます。
ライカM型は距離計連動、パララックス自動調整、巻き上げレバーによるシャッターチャージなどが採用された、当時の技術の粋を極めた画期的なカメラで、カメラシステムのみならず、レンズマウントも新しくなりました。
最もこの新しいレンズマウント(通称Mマウント)はアダプターを介して従来のLマウントのレンズも使用可能になっていました。

ライカM3の与えたインパクトに、それまでこのドイツ製のカメラに追従し、技術力を着実に着けつつあった日本のメーカーはすっかり置いてけぼりを喰う事になります。
その為、多くのメーカーがこの分野では勝てないと判断し、雪崩をうって距離計連動式カメラから撤退し、一眼レフカメラに未来を見出そうとします。
ところが、一眼レフカメラには大きな障害が幾つもありました。

レンズに関して言えば一番大きな問題は、レンズマウント面とフィルムの間には大きなミラーが入ってしまうのです。
その為、従来のレンジファインダー式カメラに比べ、フランジバックの距離が大きくなってしまいます。
これはレンズの設計にも大きな問題が生じました。
望遠レンズでは特に問題は無いのですが、広角レンズでは大きなミラーボックスをかわす設計をしないといけないのです。
それまで、レンジファインダーカメラの場合、前後対称なレンズ構成の広角レンズの設計が普通だったのですが、一眼レフの登場により、レンズ後面よりも焦点距離の小さなレトロフォーカスタイプの広角レンズが主流になっていきます。
ただ、こうしたレトロフォーカスタイプのレンズの描写は、それまでの前後対称タイプのレンズとは異なる為、その描写を嫌がり、距離計連動式カメラにこだわるカメラマンも多くいました。
また、初期の標準レンズにもこの影響は出ており、従来50mmが標準レンズだったのですが、焦点距離50mmでは設計が難しく、当初は55mmとか58mmといった50mmよりも焦点距離の長いレンズが標準レンズとされてラインナップされていました。
その後、コンピューターの進歩による設計自由度の拡大、レンズ用硝材の進歩、レンズ加工技術の向上により、こうした問題はクリアされて現在に到ります。

主なレンズ交換式カメラのフランジバック(レンズマウント面~センサー/フィルム面の距離)

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カメラのセンサー指標Φマーク。(フィルムカメラの場合はフィルム面を示します)
ここからマウントの前面までの距離をフランジバックと言います。


レンジファインダー(距離計連動式カメラ)用
ライカL 28.8mm スクリュー式 右回し
ライカM 27.8mm バヨネット式 右回し
コンタックス 32mm バヨネット式 左回し
ニコンS 32mm バヨネット式 左回し

35mm判一眼レフ用
オリンパスOM 46mm バヨネット式
キヤノンEF 44mm バヨネット式 右回し
キヤノンFD 42mm スピゴット式 右回し
ヤシカ/コンタックス 45.5mm バヨネット式 
コンタックスN 48mm
ニコンF 46.5mm バヨネット式 左回し
ミノルタMD 43.5mm バヨネット式 右回し
ミノルタα(ソニーA) 44.5mm バヨネット式 右回し
M42 45.5mm スクリュー式 右回し
ペンタックスK 45.5mm バヨネット式 右回し
エキザクタ 44.7mm バヨネット式
ライカR 47mm バヨネット式 右回し
コニカAR 40.5mm バヨネット式
アルパ 37.8mm バヨネット式

ミラーレス用
ソニーE 18mm (35mm版フルサイズ/APS-C版) バヨネット式 右回し
富士フイルムX 17.7mm (APS-C版)
Nikon 1 17mm 
マイクロフォーサーズ 20mm  (4/3版)

こうしてみるとレンジファインダー用レンズマウントに比べ、一眼レフ用レンズマウントの場合、ミラーボックスの分だけフランジバックが延びている事が判ります。
その分、レンズ設計の自由度が低くなっている事も容易に想像ができます。
またミラーレスカメラのフランジバックが概ね20mm以下であり、その為、レンジファインダー用カメラを含め、数多くのカメラ用レンズのマウント母艦として使用出来る事が判ります。

ただ、先にも説明した通り、APS-C版や、4/3版だとレンズの性能をフル活用する事は難しい為、現在は35mm版フルサイズに関しては、SONY α7シリーズの独壇場になっている訳です。

続く

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【2016/12/31 18:13】 | kumaのカメラ講座
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