FC2ブログ
ようやく入手しました。
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8
そして
Meyer Optik Görlitz Orestegon 29mm F2.8
いずれも60年代に流行したゼブラ柄の広角レンズです。

20140029_854892511335344_3760802958157910331_n.jpg

写真は左より
Meyer-Optik Görlitz Domiplan 50mm F2.8、
Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8、
Meyer Optik Görlitz Orestegon 29mm F2.8
ゼブラ柄のレンズたち
かーる・つあいす・いえな・ふれくとごん
まいやー・おぷてぃっく・ごるりっつ・おれすてごん
と読みます。

フレクトゴンとオレステゴン
まるで怪獣みたいな名前…(笑)

Flektogon、Biogon、Topogon、Hologon、Distagon、Orestegon、Plimagonなどドイツメーカーの広角レンズの名前の末尾には-gonというものが多いのですが、角度を指す言葉なのだそうです。

ともかく、Carl Zeissといえば、同じドイツのLEICAと並び、カメラマニアにとっては一度は試してみたい最高級ブランド。
LEICAで有名なErnst Leitz社など、遥かに凌駕する歴史を誇り、ドイツの光学機器の技術を世界に冠たるものに押し上げたメーカーです。
Tesser、Planer、Sonner、Bioter、Biogon、Hollogon、Distagonなど名レンズの数々を作り出したレンズメーカーの最高峰。

そしてMeyer Optik Görlitz
あまり広く知られてはいませんが、Carl Zeissに次ぐ歴史を持っていた光学メーカーです。

共に第二次世界大戦敗戦後、東西分裂したドイツにおいて東ドイツ側に位置した為に悲運の歴史をたどりました。

まあ、そうは言ってもCarl Zeissの場合、東西ドイツに国が分裂された結果、西側各国に保護されたCarl Zeiss Opton(米英軍が数々の設計図と主要な技術者を保護し脱出させ、西側に避難させて作った会社)とソ連に取り込まれたCarl Zeiss Jena(こちらは残された工場と工員達がソ連に占領されたもの)に分かれた訳ですが、ドイツ統一後、再びひとつの会社として再生されましたので、悲運と言えるかどうか…。
(でも経営不振のCarl Zeiss Jenaを吸収合併した様なもので、Jenaの製品ブランドは消滅しました。)
いずれにしても、戦時中の優れた光学兵器(測距儀、望遠鏡等)のほぼ全てがCarl Zeiss製であり、その優れた性能ゆえに、その名が連合軍側に鳴り響いており、東西冷戦の端緒において、光学技術の争奪戦に巻き込まれたと言っても良いでしょう。
ただ、東ドイツのCarl Zeiss Jena製の場合、西ドイツのCarl Zeissよりも一段劣るみたいな一般論があるのは否めないのですけど。

Meyer Optik Görlitzの方は、東ドイツ政府の政策下で人民公社組織に組み込まれ、当初その名を残していたものの、その後、政府の方針転換の際に、統廃合を繰り返し、最終的にはPENTACON人民公社の名で生産をしていたのですが、ドイツ統一後経営不振に陥り、95年の歴史にピリオドを打ちました。
最近メーカー名は復活したのですが、内容は別会社と考えて良さそうです。
そんな悲運のレンズメーカーの広角レンズたちです。

Flektogon 35mm F2.8は、距離計連動カメラ用の広角レンズに対して、性能に劣ると言われていた一眼レフカメラ用の広角レンズの技術革新をして、一眼レフカメラの普及に大きな貢献をしたレンズです。
距離計連動式カメラの場合、カメラボディの中は空間しかありませんから、レンズの形状を自由に作る事が出来、前後対称にレンズを組み合わせる事で、比較的簡単に優れた性能の広角レンズの製作が可能だったのですが、一眼レフカメラの場合、カメラ内にミラーボックスを入れる為、どうしてもフランジバック(レンズマウント~フィルムまでの距離)が長くなってしまいます。
また、カメラ内のミラーをかわす為に光学的にムリな設計を強いられてしまいます。
その為、前後非対称のレンズを作らざるを得なかったのですが、当時のレンズ設計(手計算でした)ではその性能解析が難しく、充分な性能の広角レンズが開発できず、ある時期、一眼レフカメラの広角レンズは実現不可能とまで言われていました。
それをバランスよく各種の性能を保ったまま広角レンズとして実現したのがFlektogonだと言われています。
このレンズの登場によって、いよいよ一眼レフカメラが距離計連動式カメラに対して性能面の欠点を無くしたと言う説もあるくらいなのです。
特にこのレンズ、近接撮影が容易に出来る為、優れた広角レンズとして高い評価を受けています。

Orestegon 29mm F2.8はMeyer Optikで最も短い焦点距離のレンズで、(どちらかと言うとこのメーカー標準~望遠レンズを得意としていました。)29mmという中途半端な焦点距離もそうした事なのからかも知れません。

Orestegon 29mm F2.8は当初Meyer Optikブランドでスタートし、その後、意匠を少しづつ変えながら、PENTACONに引き継がれ、最後には何とCarl Zeissブランドで売られた時期もあります。
Flektogonは、35mm、25mm、20mmのラインナップがあり、その後25mmは廃止されてしまうのですが、その中間のラインナップが無かった為、Orestegon 29mm F2.8をその穴埋めに使ったみたいです。

問題なのはいずれのレンズも開発後、性能向上の為の開発がほぼストップしてしまった事で、結果として、同時期の西側製のレンズに対して相対的にその性能が低下してしまった事でしょう。
いずれのレンズも開発後30年近く、コーティング技術の向上等小さな改良はありましたが、基本的にはコストダウンの為の改良に終始し、ほぼ開発時そのままの内容のままで生産が続けられています。
ただ、FLEKTOGONの技術に関して言えば、西側のCarl Zeissが、一眼レフ用の広角レンズの開発を完成させる20年も前にその技術を確立していたのは、やはり注目に値すると思います。
(そもそも西ドイツのCarl Zeissで一眼レフカメラを製作開始したのは、日本のヤシカと共同開発した1974年発売のCONTAX RTS以降なので、一眼レフ用の広角レンズそのものを必要としていなかったともいえます。)

いずれもセカイモン(ebay)を利用して、比較的安価に落札しました。
2週間ほど掛かって、手元に届いたのですが、いずれもレンズ、外装、絞りは綺麗だったものの、ヘリコイドが硬くてピント合わせに苦戦しそうです。
Flektogonの方はしばらく弄っている内に、軽くはなったのですが、トルクが一定しないので、一度Orestegonともども、解体してヘリコイドのグリスを入れ直した方が良さそうです。

20246431_854885864669342_4812596428879108972_n.jpg
遠くヨーロッパから届きました。

20155771_854894481335147_3798188081390710462_n.jpg
左 Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8
右 Meyer Optik Görlitz Orestegon 29mm F2.8

20245524_854895194668409_9200283796593466627_n.jpg
左 Carl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8
右 Meyer Optik Görlitz Orestegon 29mm F2.8
ヘリコイドを回すと Flektogon はこんなに伸びます。

20155996_854900614667867_1425147676981592002_n.jpg
α7M2とCarl Zeiss Jena Flektogon 35mm F2.8
なかなか良いマッチングですな。

20228750_854902044667724_9205615222724296322_n.jpg
α7M2とMeyer Optik Görlitz Orestegon 29mm F2.8
こちらもなかなか…
早く整備してがんがん使いたいものです。



追記を閉じる▲
スポンサーサイト

【2017/07/25 22:41】 | オールドレンズ
トラックバック(0) |