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ロシアのカメラ用レンズの多くはドイツのカールツアイス製のコピーと云われていて、第二次大戦後、その技術者と工場設備の大半を接収し、ロシア国内で開発の続行、製造を行ったとされています。
だから、Biogon(ビオゴン)や、Topogon(トポゴン)、Sonner(ゾナー)、Tesser(テッサー)などのカールツアイスの名レンズのコピー、またはその子孫に当たるレンズが数多くあります。
僕の持っているJupiter12 35mm F2.8や、Jupiter11 135mm F4、Helios44 58mm F2等は、それぞれBiogon、Sonner、Bioterが元モデルと云われているレンズです。

さて、じゃあ、ロシア人たちはコピーばかりで自らカメラ用レンズの開発を行わなかったのかというと、実はそうでもなくRussar(ルサール)の様な独自設計のものもあるのですが、やはり名玉コピーの評判の方が高い為か、あまり知られていない様です。

今回入手したTair11 133mm F2.8というレンズもそうしたロシア独特の設計によるもので、このシネサイズ版(16mmフィルム映画用レンズ Tair-41M 50mm F2)の情報が、日頃レンズ探しの参考にさせていただいているM42 MOUNT SPIRALさんの記事にあり、その独特の描写に興味を持ってしまいました。

ただ、このTair-41M 50mm F2、16mm版のシネレンズであり、イメージサークルの大きなα7/7Mk.Ⅱには直接使えません。

しかし同記事には、幾つか同種のレンズ形式のレンズが紹介されており、その中で35mm版フルサイズでも使えそうなのを探した結果、Tair11 133mm F2.8というものがあるとの情報に行き着きました。

Tairは3群4枚のレンズ構成で、Jupiter(ジュピター)や、Helios(ヘリオス)、Vega(ベガ)といった星の名前を冠したロシアレンズの例に漏れず、Tairは、わし座の1等星 al Tair(アルタイル)からの命名だそうです。
このレンズ、当時のソ連軍からの要望で、暗いところでも使える明るい望遠レンズとして開発されたとの事。

M42 Spiralさんの記事にはTair41 50mm F2の作例が載っており、その独特の描写にすっかり魅了されてしまいました。

こんな写りのレンズなら欲しいなぁ…

ただ、16mmシネサイズのTair41M とは異なり、Tair11 133mm F2.8は、35mmフルサイズ用ですし、決してレンズ構成も同じとは限らないので、幾つかネットの情報を当たってみました。
しかし、その情報量の少なさときたら…

でも、何とか幾つか見つけた作例は、やはりTair41M同様のクセがありそうです。

意外と面白いレンズみたいだと期待は膨らみます。



探したところ、セカイモンで発見。



無事入札してゲット出来ました。

届いたレンズは、少しプリセット絞りのリングにガタがあるものの、光学系は傷ひとつ無いものでした。

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20枚におよぶ絞り羽のおかげで絞り込んでも完全な円形絞りなのが感涙もの。
まあ、ロシアのレンズらしく、絞り羽根には、少し油染みはありますけども…

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絞り込んで行っても、絞りはほぼ円形のまま。
プリセット式絞りだからこその効果といえるでしょうけど、素晴らしいです。


マウントはゼニットマウントでいわゆるM39ネジのもの。
まあ、これはM39-M42のステップアップリングで簡単にM42マウントに変更出来ます。

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M42マウントにした上で、M42-minolta SRマウントのアダプターをかませて、いつも通りの交換レンズシステムになりました。

ごつごつとした外見ですが、アルミ製のボディなので軽いのかな?と思っていると、意外とずっしりと重たいレンズです。

早速、α7Mk.Ⅱに取り付けてみました。

バランスはやはりというか、あんまり良くないです。(笑)
それに無理やりゼニットマウントにしたしわ寄せか、マウントアダプター部が細くくびれてます。

操作性の悪さはロシアレンズの特徴とも言うべき点ですから、これはある意味仕方ないと捉えないとダメでしょうね。

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SONYα7Mk.Ⅱにセットしたところ

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レンズが重くておじぎします。

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ヘリコイドマウントアダプターも利用して、もともと1.5mまでの最短撮影距離を1m以内に収める事ができました。


さて、肝心の描写です。

好いです。

素晴らしいです。

独特の立体感のある描写。
それに背景のぐるぐるボケがたまりません。

まだ、試用段階ですが、これはお気に入りのレンズになりそうです。

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高知県中土佐町の海岸近くに住んでいる猫

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ご飯食べようとしたら、おねだりに来ます。(笑)

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後のアスファルトの軽いぐるぐるボケが好い感じ。

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こういう描写好きだなぁ…

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シャープであって欲しいところと、ボケて欲しいところが適度にブレンドされる素敵な描写です。

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すっかり気に入ってしまいました…(笑)

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雨の中の木守り

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しずくの感じと、後のぐるぐるボケ、色合いも魅力的です。

レンズ比較
上からSONY STF 135mm F2.8 〔T4.5〕、Meyer-Optik Gorliz Orestor 135mm F2.8、Tair11 133mm F2.8
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SONY STF 135mm F2.8 〔T4.5〕
MINOLTAの技術陣が究極のボケ味を求めたレンズです。
後ろボケの美しさはやはり別格です。

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Meyer-Optik Gorliz Orestor 135mm F2.8
欧米ではボケモンスターの異名を持つレンズなのですが、STFに比べるとややボケは硬く感じます。

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Tair11 133mm F2.8
色のりが強く、ぐるぐるボケも目立つレンズなのですが、魅力的な描写だと思います。
ほぼ同じ135mmクラスのレンズなのですが、これほど描写に違いがあるとは…
用途ごとに使うレンズをチョイスするのが肝腎な様です。


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【2018/01/25 12:51】 | オールドレンズ
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