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オールドレンズについて、少しご説明を。

今のレンズとは違って、オールドレンズには特徴的なボケや描写をするものがあります。

そして、それこそがオールドレンズの魅力と言えます。

そもそも、オールドレンズと言うと、昔生産されていた古いレンズという意味ですが、厳密な定義はなく、一般にはマニュアルフォーカスの30年前くらいまでのレンズを指すと考えています。

今のレンズはコンピューターを使って、光路設計を行い、レンズの諸収差(描写に問題となる悪いクセ)を極力取り除く様にしています。
材料の光学ガラスも多種多様な改良が図られ、非球面レンズも一般化しつつあります。
また、マルチコーティングのおかげで透過率が高くなり、逆光にも強くなっています。

(コーティングとは光学レンズ表面に薬剤を蒸着させ、光の通過率を高め、色調を整える技術)

しかし、古いレンズはレンズ設計を手計算で行っており、その為、計算能力が充分とは言えず、レンズ設計技術者が、勘と経験を頼りに、レンズの組み合わせを考え、試行錯誤を繰り返した上で、作られたものが多く、設計者の個性や、考え方が如実に現れていると言えます。

また、時代によっては、使用している光学ガラスの性能が充分でなかったり、コーティングがされていないレンズもあります。

結果として、諸収差の補正が不充分だったり、逆光に弱かったりして、それが特徴的な描写に繋がっています。

その極端な例が、バブルボケ、ぐるぐるボケといったものです。

バブルボケだと、Meyer Optik Golritz のTrioplan、Domiplan、後継のPENTACON製のものなど。
ぐるぐるボケだと、Carl ZeissのBiotarや、そのソ連製改良版のHerios40/44と言ったレンズが有名です。


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バブルボケの一例 PENTACON AV 100mm F2.8使用

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ぐるぐるボケの一例 Tair11 133mm F2.8使用


国産のレンズで、30年前くらいのものとなるとコンピューター設計となり、ガラス材の性能やコーティング技術も向上しており、現在のレンズとほぼ遜色ない性能で、オールドレンズらしさが無いものが多くあります。

ただ、ソ連製や東ドイツ製などのレンズの場合、コストダウンの為のモデルチェンジしか行われず、ソ連崩壊、東西ドイツ合併まで性能向上目的のモデルチェンジは殆ど行われませんでした。
その為、そのレンズ開発当時の特徴がそのまま残ったものも数多くあります。

オールドレンズの紹介では、これらの不思議な特徴を残したレンズが殊更強調されて紹介されています。

それじゃ、その他のオールドレンズでは出来ないのかと言うと、案外そうではなく、効果の差はあるものの、他のレンズでも作る事は出来ます。

こうした極端なクセのあるレンズも、遠景を絞りを絞って撮影すれば、それほど酷いクセは出ないのですが、近景を絞りを開けて撮影すると、そうしたクセが強調される場合が多くなります。

最近のオールドレンズブームで、バブルボケやら、ぐるぐるボケするレンズが人気となっており、中でも、M42マウントのレンズはユニバーサルマウントとして数多くのカメラメーカーに採用されていた為、比較的汎用性が高い事もあり、価格も上昇してきつつあります。
ただ、その中でもソ連製レンズや、東ドイツ製のMeyer Optik Golritz/PENTACONのレンズは50~30年程前に乱造されていた事もあり、余程拘らない限りはまだまだ安価に入手出来ます。
最も、後期には極端に安価に大量生産されていたものもあり、その状態をきちんと判断する必要はあります。

国産のレンズを含め、特徴的な描写をするものはコンピューター設計以前のものが多いのは先述した通り。

昔は、35mm版フィルム使用のレンズ交換式カメラでは、距離計連動式カメラのLeica(ライカ)マウント(φ39スクリューマウント、俗にL39マウント)や、Contax(コンタックス)マウント。
一眼レフカメラの時代になると、PRACTICA(プラクチカ)マウント(φ42スクリューマウント、俗に M42マウント)や、EXAKTA(エキザクタ)マウントといったレンズマウントがユニバーサルマウントとして、多くのカメラメーカーが採用し、また、多くのレンズメーカーがレンズを供給し、お互いに違うメーカーのカメラとレンズを組み合わせて使う事が出来ました。

特に、35mm映画用フィルムを使ったカメラのパイオニアであったLeicaスクリュー (L39) マウント、そして一眼レフカメラ時代の先鞭をつけたPRACTICA (M42) マウントはいずれもスクリューネジ式のマウントであり、工作が簡単であった事から多くのカメラメーカーに支持され、多数のレンズメーカーが、これらのカメラメーカーにレンズを供給しました。

ところが、カメラの性能が上がるにつれ、カメラとレンズ間の連携が必要となり、また、それぞれのカメラメーカーの思惑から、ユーザーの囲い込みを目指していった為、次第にレンズマウントの互換性が失われてしまいました。

あるメーカーのカメラを買うと、そのカメラメーカーのレンズを買わないと使えないという事になって行きました。

例えば、Nikon(ニコン)だとFマウント、Canon(キャノン)だとEFマウントやFD/FL/Rマウントと言った具合です。

マウントアダプターを使えば他社製の交換レンズを使えはするのですが、それは機能制限があって使い難くなります。

スクリューネジ式のM42マウントも例外ではなく、日本製のPENTAXとFUJICAではそれぞれに開放測光の方式が異なった為、同じM42スクリューマウントでも交換しては使えないなんて状況も生まれてしまいました。

ところが、デジタルカメラの中でも、ミラーレスレンズ交換式カメラの登場により、デジタルカメラで古いレンズがほぼ制限無く使用出来る様になりました。

当然、マウントアダプターは必要にはなるのですが、オートフォーカスを使わないのを厭わなければ、星の数ほどあるオールドレンズをマニュアルフォーカスで使う事が可能です。

特に SONY α7シリーズが登場してからは、35mm版オールドレンズが、そのままの画角で使える事から、ますますオールドレンズに嵌まる人が増えた様に感じます。
僕もそのひとりになるのでしょうが…
(更に2018年にはNikon、Canonも35mm版フルサイズのミラーレスカメラの発売を開始しました。)

なぜ、ミラーレスカメラの時代になって、昔のカメラの交換レンズが使える様になったのでしょうか?

秘密は、フランジバック。

一眼レフカメラの場合、レンズを通した光を反射鏡で跳ね上げ、さらにそれをペンタプリズムで2度折り曲げてファインダーで覗く事になります。

ミラーレスカメラの場合、レンズを通した光を直接センサーで捉えて、その画像を背面モニターか、ファインダーのモニターで確認出来ます。

一眼レフカメラと異なり、反射鏡や、ペンタプリズムの必要が無くなり、レンズマウントからセンサーまでの距離(これをフランジバックと言います。)が短く出来ます。

フランジバックが極端に短くなり、小型計量なカメラを作る事が出来、さらに多くのマニュアルフォーカス交換レンズが使える様になりました。

ですから、マニュアルフォーカスでのピント合わせさえ厭わなければ、昔のレンズが使える訳です。

カメラに依っては、ファインダーの拡大表示や、ピーキング機能がついており、一眼レフカメラでは出来なかったピント合わせのサポート機能もついています。

最新のデジカメを使って、時代を越えて、古のお気に入りのレンズを使って、じっくりピントを合わせて写真を撮る事が出来るのです。

フィルム代、現像代を気にせず撮影出来、また、そのレンズの特徴、クセ、仕上がりをモニターで確認しながら撮影出来る、そんな夢の様な時代がやって来ました。

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夢を拡げてくれるマウントアダプター各種
(これらは自作したものですけども…)


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【2019/01/04 23:35】 | オールドレンズ
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