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オールドレンズにすっかり嵌まっていますが、これも35mm版フルサイズのレンズ交換式ミラーレスデジタルカメラがあればこそ…

そもそもこの35mm版フルサイズという規格、オスカー・バルナックという病弱な技術者が、軽量小型で持ち運びやすいカメラを作る為に開発したものです。



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Leica Ⅲf型
バルナック ライカ (写真はネットより拝借)

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ContaxⅠ型
コンタックスⅠ型  (写真はネットより拝借)

彼がこのカメラを思いついた当時、カメラとは、大きな暗箱にレンズを取り付けたものであり、撮影する為にはその大きな暗箱を現地に運んで、三脚に載せ、ピントグラスに上下左右逆さまに写る像を見ながらピントを合わせ、感光剤を準備して取り付け、レンズのシャッターを切る(もしくはレンズキャップを付け外しして)写真を撮るという、大変な労力を必要とするものでした。

バルナックの時代には、さすがにフィルムが開発されていましたが、写真はなかなか気軽に撮影する事は出来ないものでした。

そんな中、バルナックは開発著しい35mm版映画フィルムを使用して、自身が持ち運びやすい小型軽量のカメラの開発を行おうと決意します。

しかし、それは茨の道でした。

当初、名門光学メーカー Carl Zeiss(カール・ツアイス)に就職し、その当時試作品を作ったと言われています。
後 Ica AG(イカ)に出向した際に、社長に自ら考案したカメラの商品化を持ちかけますが、その市場性に理解が得られず拒絶され、結局ツアイスを退社し、新興の Ernst Leitz(エルンスト・ライツ)社に入社。
ここでめでたく自ら考案の小型カメラの生産に漕ぎ着けます。
これが有名な Leica(ライカ)の誕生でした。

そんな新興メーカー Leica に対して、ドイツ光学界の雄 ZEISS は同じフィルム規格ながら、ライバル打倒を目指し、Contax(コンタックス)カメラを発表します。

Contax はフィルム規格以外において、Leica の持つ特徴を全て否定する事から開発をしたのではないかと思うくらい、真逆の設計方針を貫いています。

Leica の丸みを帯びた優美なボディデザインに対して、ほぼ長方形の角ばったデザイン。
Leica の右回しで締め付けるネジ式のレンズマウントに対して、左回しでレンズを固定するバヨネット式のレンズマウント。
Leica の横走りゴム引き布幕のフォーカルプレーンシャッターに対して、縦走り金属製のよろい戸式のフォーカルプレーンシャッター。
Leica の基線長が短く望遠レンズに不向きだった距離計に対して、カメラ幅一杯に使った長機長の距離計(これは長所)。

まるで、Leica の存在をことごとく否定するかの様なカメラでした。

ひょっとすると、後発メーカーである筈の Leitz のヒット作に対する老舗メーカーのやっかみじゃないかと思うくらいの徹底した否定ぶりです。

使い勝手は、今となってはどちらも快適そのものとは言えず、数々のルールに縛られている箇所があり、取り扱いに気を使わなければならないカメラですが、当時としては軽快で優れた操作性を誇りました。

そんな35mm版の雄ですが、Leica はともかく、Contax には許せない点が…

レンズマウントの回転方向です。

当時、Leica のコピーは星の数ほど出たのですが、その殆どは Leica を模したスクリューマウントでした。
これは39mm径のインチピッチ(ドイツ製でありながら、メートル規格ではなかった!!)のネジ式で、当然ながらレンズの締め付けはカメラのレンズマウントに向かって右回りになります。

世に存在するネジのほとんどは、右回しで締め付ける、いわゆる 『の』の字締めです。

Leica もそのルールに当然の如く則り、カメラ、引き伸ばし機など関連商品のレンズマウントに統一した39mm径のネジを採用しました。

Contax は二重バヨネット式のスクリュー式とは一線を画する進歩的なマウントを採用したのですが、どうした訳か、マウントの締め付け方法はカメラのレンズマウントに向かって左回し。

Leica なんぞにうつつを抜かしているヤツなんぞクソ喰らえ!
ZEISS こそが世の基準!

と云わんばかりの独自設計なのです。

レンズのヘリコイドや、絞りのリングの回転方向ならば、そう問題ではないのですが(慣れの具合で速写性は損なわれてしまうかも知れませんが…)レンズの場合、外れて落としたら基も子も無いですから…。

現に一度、Contax マウントのソ連製 Jupiter 12 35mm F2.8 のロックが外れているのに気付かず、レンズを落としてしまった事がありますが、こればかりは危険すぎて、感覚的に受け付けられません。
(使うのに怖いので、同レンズは Contax マウント → LEICA M マウントアダプターに接着取り付けしてしまいました。)

しかも、標準レンズは内側にマウントし、それ以外の広角レンズ、望遠レンズは外側にマウントするという二重マウントを採用しています。
標準レンズの場合、

「カメラ側のヘリコイドを利用しろや!」

と、言う事なのです。

そんな Contax マウントに追従したのが Nikon でした。
(厳密にはフランジバックが若干異なりますが…)
マウント形状は同じもので、やはり左回転でレンズを固定します。

どちらも軍事用光学兵器メーカーの製品ってのは共通しているのですが…


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Nikon S3 ニコンの距離計連動機 (写真はネットより拝借)


独自路線は面倒くさくって仕方ない。

レンズのマウントの取り付け方向が世の数あるカメラメーカーと逆ですし、ヘリコイドの回転方向も逆。

ヘリコイドの回転方向はオートフォーカスにカメラが進化した事で、扱う機会が減り、その煩わしさからは解放された気がしなくはないですが…
(でも、オールドレンズの場合には多少なりとも問題にはなってきます。)

Nikon は後に、距離系連動式カメラから、一眼レフカメラに移行した際、新たに作り上げたFマウントも同様のレンズの取り付け方式としました。

実に面倒くさい…(笑)

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Nikon F
名機 ニコンF (写真はネットより拝借) 日本のカメラ史に敢然と輝く名機ではあるのですが…


流石にレンズ落とすのも嫌なので、Nikon だけは検討しない事にしています。

新たに発表されたZマウントも同じ左回しで、レンズを締め付ける方式でしたね。

センサーサイズのフォーマットも、Nikon 独自の名称だし、歩み寄る気は無いのでしょうね。

でもカメラは兵器じゃないんだから…


Nikon 最初の一眼レフカメラ Nikon F 発売後、そのシャッターボタンの位置が悪くて、指が曲がる人が出たくらいですからねぇ。

光学兵器恐るべし。

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Nikon S3のシャッターボタン周辺
(写真はネットより拝借)

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Nikon Fの上面 シャッターボタンは限りなくボディ後ろ寄りで扱いにくそう…
(写真はネットより拝借)
この後のF2からはボディ前面寄りになって扱いやすくなっています。
(でも、Fのユーザーからはクレームがついたそうです。)


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【2019/11/30 22:32】 | カメラ
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