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フランツ・カフカと言っても、僕は『変身』くらいしか読んではいないんだけど…

カフカはその40年の生涯で、未完の長編小説3篇と『変身』をはじめとする短編小説を残しています。
ただ、生前には小説家としては認められていなかったとの事。

肺結核で1924年に亡くなっていますが、その最後の時期を過ごしたのが、ドクターホフマンのサナトリウムだそうです。

そんな舞台を観てきました。



以下、ネタバレ含みます。



物語は、未発見の第4の長編小説が見つかった事から始まります。

設定は複雑で、物語の世界と、現代、そして、カフカの晩年と3つの時代が交錯するというもの

正直ついていくのは大変ですが、面白い舞台に仕上がっていました。


特に核となる長編小説の物語。

いかにも当時の小説の切り口で、しかもカフカのテイストたっぷりかと…

『変身』を読む限り、その救いの無い世界感に絶望的な気分になってしまうのですが、そのモヤモヤとした希望の持てない世界が拡がっていきます。

その世界観も、彼の人生とその境遇を知ると、さもありなんという気持ちになってきます。

カフカはプラハ出身のユダヤ系ドイツ人で、3人の妹たちは後にアウシュビッツ収容所でナチスドイツのユダヤ人撲滅計画の毒ガスの餌食になっています。

第一次世界大戦の痛手からようやく復興を遂げようとしていつつも、戦争の影響がまだ色濃く残る時代。
そんな時代だからこその世界観だったのかも知れません。


出演者の中に、緒川たまきさんと、犬山イヌ子さんの名前を見つけ、物語が進むうちに、どこかで見たテイストだと感じました。

休憩時間に調べて納得。

テレビ東京 ドラマ24で放送された『怪奇恋愛作戦』!

『宇宙犬作戦』でメガホンを取った濱谷監督のプロディース作品でした。

出演者にはもちろん緒川たまきさんも、犬山イヌ子さんもいらっしゃいますし…

その脚本が、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんでした。

たぶん、濱谷プロディーサーとの繋がりで視ていなければ解らなかっただろうなぁ…と、ひとり妙に感じ入っていました。

緒川たまきさんが良い雰囲気を醸し出しています。

あの大きな瞳で一点を見つめて、小首をかしげるだけで、何か不吉な事が起こりそうですから…

確かに迷わされそうなんだよなぁ… 道も、時代も…

そこに変幻自在の犬山イヌ子さんが入ってきて…

渡辺いっけいさんのキレのある動きも魅力的だったし、もちろん我が音尾琢真さんの演技も変幻自在。

全体に重々しい空気が漂う世界なので、あれで大倉孝二さんが居なきゃ、正直キツかったかも…


舞台中で、主人公たちが石を投げられるのも、パレスチナへ向かう話が出てくるのも、ユダヤ人ゆえ。

意味分かんない~
と言っていた人も居たそうですが、第二次世界大戦前後の時代を知っていないとなかなか理解は出来ないだろうなぁ…


果たして、恋人たちはは無事逃げ切れたのか?

物語のエンディングは、カフカ死後の話になりますから、果たしてどうなったのか?

興味は尽きません。

そんな謎めいた素敵な舞台でした。


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【2019/12/05 14:08】 | 観劇
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