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第3回 望遠レンズとシャッター速度の関係

さて、前回レンズの焦点距離について、少し書きましたが、もう少し詳しく説明しましょう。
まず、標準レンズ。
標準って言われるのは、まあ一番ムリの無い設計のレンズが作れるからなのですが…

そもそも、35mm版フルサイズ(24×36mm)という規格は、ドイツの光学機器メーカーであるエルンスト・ライツ社がライカというカメラを開発して発表した時に由来します。

LEICA1.jpg
初めての35mm版カメラ LEICA Ⅰ型 (出典:朝日ソノラマ カメラレビューより)


当時から数多く使われていた35mm版の映画用フィルムを使用して、それを写真撮影用に使用したのが始まりでした。
その為、このサイズをライカ版とも言います。
それまでは写真用のフィルムは各種の規格が存在し、多くはより大きなサイズのものが主流だったのですが、この35mm版の普及により、小型カメラは急速に発展を遂げたと言えます。

DSC01014.jpg
35mmフィルム。もともと映写機にかけていたフィルムの為、両側にパーフォレーションと云われる送り穴が開いてます。


このライカが最初に取り付けて登場したレンズが焦点距離50mmのレンズでした。
50mmという焦点距離は35mmフルサイズ版のフィルムサイズの対角距離(約43mm)に近く、無理の無い設計が可能です。
ちなみに焦点距離って言うのは、撮像センサー(フィルム)面から、レンズの中心までの距離を指します。
このレンズの中心ですが、仮想的な中心を指していて、レンズの設計方法により、レンズの物理的な中心からずらす事が可能で、例えば、望遠レンズをより小さく設計したい場合には、仮想的なレンズの中心をレンズそのものの前に出したり、逆に広角レンズではカメラ側の機構的な都合で仮想的なレンズの中心を後ろにしたものもあります。
標準レンズではこうしたムリな設計をせずにすむ場合が多いので、比較的安価に、優れた性能のレンズが作られてきました。

焦点距離
焦点距離の概念(仮想的なレンズの中心)

テレフォトタイプ
望遠レンズの一例(焦点距離fよりもレンズの長さが短い)

レトロフォーカス
広角レンズの一例(レンズよりも焦点距離fが後に来ている)
(以上3点は出典:MINOLTA TRY USより)



無理が無い設計が可能なので、標準レンズは明るいレンズを作る事が出来るのも特徴で、古いキャノンのレンズにはF0.95なんてレンズも存在しました。

canon.jpg
いくらムリの無い設計が出来るとは言っても、これは無いだろ!って感じのCanon 50mmF0.95
(出典:朝日ソノラマ カメラレビューより)


さて、標準レンズと広角レンズについては概ね1/60秒以上のシャッター速度を選べば、手ブレのない写真が撮れると先に説明しました。
しかしながら、望遠レンズはそうは行かないとも…。

望遠レンズの場合、標準レンズに比べ、ピントの合う範囲(これを被写界深度と言います。)が狭く、非常にピント合わせがシビアになります。
さらに、遠くを拡大して撮影する事になる為、ブレの影響を受け易いのです。
双眼鏡をお持ちの方なら経験があると思いますが、倍率の大きな双眼鏡になればなるほど、手ブレの影響が大きくて見るのが大変になります。
つまり、遠くを拡大して表示している為、手ブレがもろに影響をします。

じゃあ、どうすればブレを防げるのか?

35mm版フルサイズ換算で、1/焦点距離(秒)のシャッター速度を選べば大丈夫ってのが、一般的な回答で、確かに、この程度のシャッター速度を選べば、ほぼ手ブレは防げます。

例えば、35mm版フルサイズで200mmの望遠レンズを使うのなら、1/200秒以上(1/250~1/8000秒など、カメラによりますが…)のシャッター速度を選んで、第1回に説明したとおりのカメラの構え方をすれば、手ブレはほぼ解消できます。
35mm版フルサイズで300mmの望遠レンズならば1/300秒以上なら大丈夫って訳です。

じゃあ、APS-C版なら…。
実はAPS-C版の場合、35mm版フルサイズに対して焦点距離は1.5倍相当になるので、同じ焦点距離200mmのレンズでも実際には300mm相当になってしまいます。
だから、安心して手ブレを防ぐなら1/300以上が必要になる訳です。

フォーサーズは?
こちらは35mm版の2倍になるので、200mmの望遠レンズなら1/400秒以上のシャッター速度が必要になってきます。

実際は、最近のカメラの場合、カメラもしくはレンズに手ぶれ補正機能が内蔵されている場合が多いので、これよりも、少し遅くても大丈夫な場合もあります。

じゃあ、そのシャッター速度はどうやって選ぶのか?

一番簡単なのはカメラのモード切替でシャッター速度AEがついている場合、(カメラによっても異なりますが、AUTO、P、S、A、Mと言うモードの切り替えが効く場合、Sモードがシャッター速度優先AEになります。)設定したシャッター速度での撮影が可能になりますから、これを利用します。
この場合、設定したシャッター速度に応じて、カメラが自動的に、絞りや状況に応じてはISO感度の調整をしてくれますから、手ブレのないシャッター速度に設定しておけば安心して撮影に没頭できます。
ですから、広角レンズから標準レンズまでは1/60秒で、望遠レンズの場合はその焦点距離にあったシャッター速度を選べば、OKです。

他のモードでもシャッター速度の表示を確認して撮影出来れば問題はありませんが、なかなか、確認しながら撮影するのは困難なので、あらかじめシャッター速度優先モードが付いているなら、試す価値は大きいと思います。

DSC01013.jpg
Sモードにセットした状態。
これであらかじめ決めたシャッター速度を基にした撮影が可能になります。


続く

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まず、標準レンズ。
標準って言われるのは、まあ一番ムリの無い設計のレンズが作れるからなのですが…

そもそも、35mm版フルサイズ(24×36mm)という規格は、ドイツの光学機器メーカーであるエルンスト・ライツ社がライカというカメラを開発して発表した時に由来します。

LEICA1.jpg
初めての35mm版カメラ LEICA Ⅰ型 (出典:朝日ソノラマ カメラレビューより)


当時から数多く使われていた35mm版の映画用フィルムを使用して、それを写真撮影用に使用したのが始まりでした。
その為、このサイズをライカ版とも言います。
それまでは写真用のフィルムは各種の規格が存在し、多くはより大きなサイズのものが主流だったのですが、この35mm版の普及により、小型カメラは急速に発展を遂げたと言えます。

DSC01014.jpg
35mmフィルム。もともと映写機にかけていたフィルムの為、両側にパーフォレーションと云われる送り穴が開いてます。


このライカが最初に取り付けて登場したレンズが焦点距離50mmのレンズでした。
50mmという焦点距離は35mmフルサイズ版のフィルムサイズの対角距離(約43mm)に近く、無理の無い設計が可能です。
ちなみに焦点距離って言うのは、撮像センサー(フィルム)面から、レンズの中心までの距離を指します。
このレンズの中心ですが、仮想的な中心を指していて、レンズの設計方法により、レンズの物理的な中心からずらす事が可能で、例えば、望遠レンズをより小さく設計したい場合には、仮想的なレンズの中心をレンズそのものの前に出したり、逆に広角レンズではカメラ側の機構的な都合で仮想的なレンズの中心を後ろにしたものもあります。
標準レンズではこうしたムリな設計をせずにすむ場合が多いので、比較的安価に、優れた性能のレンズが作られてきました。

焦点距離
焦点距離の概念(仮想的なレンズの中心)

テレフォトタイプ
望遠レンズの一例(焦点距離fよりもレンズの長さが短い)

レトロフォーカス
広角レンズの一例(レンズよりも焦点距離fが後に来ている)
(以上3点は出典:MINOLTA TRY USより)



無理が無い設計が可能なので、標準レンズは明るいレンズを作る事が出来るのも特徴で、古いキャノンのレンズにはF0.95なんてレンズも存在しました。

canon.jpg
いくらムリの無い設計が出来るとは言っても、これは無いだろ!って感じのCanon 50mmF0.95
(出典:朝日ソノラマ カメラレビューより)


さて、標準レンズと広角レンズについては概ね1/60秒以上のシャッター速度を選べば、手ブレのない写真が撮れると先に説明しました。
しかしながら、望遠レンズはそうは行かないとも…。

望遠レンズの場合、標準レンズに比べ、ピントの合う範囲(これを被写界深度と言います。)が狭く、非常にピント合わせがシビアになります。
さらに、遠くを拡大して撮影する事になる為、ブレの影響を受け易いのです。
双眼鏡をお持ちの方なら経験があると思いますが、倍率の大きな双眼鏡になればなるほど、手ブレの影響が大きくて見るのが大変になります。
つまり、遠くを拡大して表示している為、手ブレがもろに影響をします。

じゃあ、どうすればブレを防げるのか?

35mm版フルサイズ換算で、1/焦点距離(秒)のシャッター速度を選べば大丈夫ってのが、一般的な回答で、確かに、この程度のシャッター速度を選べば、ほぼ手ブレは防げます。

例えば、35mm版フルサイズで200mmの望遠レンズを使うのなら、1/200秒以上(1/250~1/8000秒など、カメラによりますが…)のシャッター速度を選んで、第1回に説明したとおりのカメラの構え方をすれば、手ブレはほぼ解消できます。
35mm版フルサイズで300mmの望遠レンズならば1/300秒以上なら大丈夫って訳です。

じゃあ、APS-C版なら…。
実はAPS-C版の場合、35mm版フルサイズに対して焦点距離は1.5倍相当になるので、同じ焦点距離200mmのレンズでも実際には300mm相当になってしまいます。
だから、安心して手ブレを防ぐなら1/300以上が必要になる訳です。

フォーサーズは?
こちらは35mm版の2倍になるので、200mmの望遠レンズなら1/400秒以上のシャッター速度が必要になってきます。

実際は、最近のカメラの場合、カメラもしくはレンズに手ぶれ補正機能が内蔵されている場合が多いので、これよりも、少し遅くても大丈夫な場合もあります。

じゃあ、そのシャッター速度はどうやって選ぶのか?

一番簡単なのはカメラのモード切替でシャッター速度AEがついている場合、(カメラによっても異なりますが、AUTO、P、S、A、Mと言うモードの切り替えが効く場合、Sモードがシャッター速度優先AEになります。)設定したシャッター速度での撮影が可能になりますから、これを利用します。
この場合、設定したシャッター速度に応じて、カメラが自動的に、絞りや状況に応じてはISO感度の調整をしてくれますから、手ブレのないシャッター速度に設定しておけば安心して撮影に没頭できます。
ですから、広角レンズから標準レンズまでは1/60秒で、望遠レンズの場合はその焦点距離にあったシャッター速度を選べば、OKです。

他のモードでもシャッター速度の表示を確認して撮影出来れば問題はありませんが、なかなか、確認しながら撮影するのは困難なので、あらかじめシャッター速度優先モードが付いているなら、試す価値は大きいと思います。

DSC01013.jpg
Sモードにセットした状態。
これであらかじめ決めたシャッター速度を基にした撮影が可能になります。


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【2014/01/09 00:03】 | kumaのカメラ講座
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