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被写界深度

カメラを効果的に使う為に、幾つか知っておく方がよい事をピックアップして説明しましょう。

まずは被写界深度
聴き慣れない言葉でしょうが、内容を理解しておくと、より好い写真を撮るのに役立ちます。
被写界深度とは

写真を撮る為には、ピントを合わせる必要があります。
人の眼は自動的に見たい場所にピントを合わせてくれる訳ですが、機械であるカメラではそうは行きません。
昔でこそ、手でレンズのフォーカスリングを動かして、ピントを合わせたい場所に、ピントを合わせていた訳ですが、今はほとんどの場合でカメラがオートフォーカスしてくれます。

そして、ある一点にピントを合わせた際に、その前後もある程度ピントが合う範囲ができるものなのですが、被写界深度とはそのピントの合う前後の距離(深さ)を指します。

ZU.jpg
被写界深度(MINOLTA TRY USより転載)

この被写界深度は遠距離ほど広く、近距離ほど狭くなります。

また、ピントの合った位置よりも前側が狭く、後ろ側が広くなります。
ピントを外した際にピントが前に行った場合、意外と軽いボケで済んで、何とか助かる写真になるのに対して、ピントが後に行ってしまった場合、救いようがなくなるのはこのせいです。

また被写界深度はレンズによっても異なります。
焦点距離の短い(数値の小さい)レンズほど被写界深度は深く、焦点距離の長い(数値の大きい)レンズほど被写界深度は浅くなります。
つまり、広角レンズになればなるほど被写界深度は深く、望遠レンズになればなるほど被写界深度は浅くなります。

また、絞りの開閉によっても変わってきます。
この場合、絞りを開く(数値を小さくする)ほど被写界深度は浅くなり、絞りを絞る(数値を大きくする)ほど被写界深度は深くなります。

つまり、

被写界深度
深い> 浅い とすると

撮影距離(例:m)
遠距離(∞) > 中距離(3m) > 近距離(1m)

使用レンズ(例:焦点距離…35mm版フルサイズの場合 mm)
超広角レンズ(20mm) > 広角レンズ(28mm) > 標準レンズ(50mm) > 望遠レンズ(135mm) > 超望遠レンズ(300mm)

絞り値(F値)
F32 > F22 > F16 > F11 > F8 > F5.6 > F4 > F2.8 > F1.4

という関係になります。


古いレンズの例ですが…
レンズに各絞り値の被写界深度の指標が付いていました。
中央の太目のラインの上の黄色がft、白がmの距離表示
太いラインの両側の小さな数字が絞り値を指します。
DSC03987.jpg
20mmレンズ

DSC03989.jpg
100mmマクロレンズ
20mmと比較すると、被写界深度が浅い事が判ります。

DSC03990.jpg
ズームレンズの場合、こうしたラインを引いて、指標にしてありました。



基本的に同じ焦点距離のレンズの場合、被写界深度の深さは変わりません。
ですから、標準レンズ(画角50°前後のレンズ)で比較した場合

スマホ > コンデジ > 4/3、μ4/3版 > APSC版 > 35mmフルサイズ版 > 645版
の順(センサーサイズが左ほど小さい)で、ボケ具合が異なってくる訳です。

つまり、同じ大きさの像を得た場合に、センサーサイズが小さいほど、焦点距離の短いレンズを使っている為に、被写界深度が深く画面全体がシャープになり、センサーサイズが大きいほど、焦点距離の長いレンズを使う事になる為に、被写界深度が浅くピントの合った場所以外がボケる為に主題が浮き立つ様になる訳です。

良く、大型のセンサーを使ったカメラを使う方が写真が綺麗だという人がいますが、これは主題を浮き出させるボケの効果を狙った場合に通じる事です。
でも画面全体をシャープに写したい場合には、決してこの限りではありません。
(大型センサーの方が有利な点は他にもありますが、この話からは外れるのでまた改めて説明します。)

言葉を変えると望遠レンズを使うと、ピントの合った箇所以外はぼやけて見える事になりますから、主題を浮き立たせる事ができます。
また、広角レンズを使うとピントの合った箇所以外もぼやける事が少なくなります。

ボケ味については焦点距離が長いほど効果が大きい訳ですから、センサーサイズが大きいほどその効果が大きくなるという訳です。

望遠レンズを使っても、被写界深度を深くしたければ、よりセンサーサイズの小さいカメラを選ぶべきですし、逆に主題を活かしたい、ボケ味を重視するならセンサーサイズの大きなカメラにするべきという事になります。

また、同じレンズであっても絞り値の設定で被写界深度は変わりますから、広角レンズであっても大きなセンサーサイズのカメラの場合、より美しいボケ味を楽しむ事ができるという事になります。

その昔、ピント合わせ不要のパンフォーカスカメラというカメラがありました(フィルムカメラ『写るんです』もこうしたカメラのひとつです。)が、こうしたカメラに取り付けられているレンズは広角レンズで、絞り値の小さいものでした。
そうする事で、深い被写界深度を得ることが出来、概ね1m以上の距離であれば、無理なくピントが合っている様になる為に充分実用的とされていました。
厳密にいうとボケが許容範囲内に納まっているので、問題なくシャープに見えるという事です。

DSC03993.jpg
写るんです(レンズつきフィルム)

DSC03994.jpg
フラッシュ無しの場合、1m~無限遠でピントが合うとなっていて、ピントの調整不要になっています。

結構、被写界深度の話は奥が深いのですが(深度だけに…!?)これを理解して極めれば、写真の絵作りが変わってきます。



比較テスト

各レンズと、絞りの値によって被写界深度の変化を見て下さい。
 ①カメラは35mmフルサイズ版です。
 ②ピントは3体目のフィギュアに合わせてあります。
 ③各フィギュアの最前列のものが概ね同じくらいの大きさになる様にしましたので撮影距離はレンズごとにそれぞれ異なります。
 ④フィギュアはこんな形に配置してあります。
DSC05052.jpg



広角レンズ(24mm)
2428.jpg
F2.8

2456.jpg
F5.6

2411.jpg
F11

2422.jpg
F22



標準レンズ(50mm)
5028.jpg
F2.8

5056.jpg
F5.6

5011.jpg
F11

5022.jpg
F22



望遠レンズ(200mm)
20028.jpg
F2.8

20056.jpg
F5.6

20011.jpg
F11

20022.jpg
F22



比較その2
望遠レンズで各フィギュアの違う位置にピントを合わせた時の見え方の差
(35mm版、200mm F8で比較)
DSC05050.jpg
最も前のフィギュアにピントを合わせた場合

DSC05049.jpg
真ん中のフィギュアにピントを合わせた場合

DSC05051.jpg
最も後ろのフィギュアにピントを合わせた場合

被写界深度が、
広角レンズほど深く、望遠レンズほど浅い。
撮影距離が前ほど浅く、後ろに行くほど深くなる。
絞りを開くほど浅く、絞りを絞るほど深くなるのがお解り頂けたでしょうか?

続く

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被写界深度とは

写真を撮る為には、ピントを合わせる必要があります。
人の眼は自動的に見たい場所にピントを合わせてくれる訳ですが、機械であるカメラではそうは行きません。
昔でこそ、手でレンズのフォーカスリングを動かして、ピントを合わせたい場所に、ピントを合わせていた訳ですが、今はほとんどの場合でカメラがオートフォーカスしてくれます。

そして、ある一点にピントを合わせた際に、その前後もある程度ピントが合う範囲ができるものなのですが、被写界深度とはそのピントの合う前後の距離(深さ)を指します。

ZU.jpg
被写界深度(MINOLTA TRY USより転載)

この被写界深度は遠距離ほど広く、近距離ほど狭くなります。

また、ピントの合った位置よりも前側が狭く、後ろ側が広くなります。
ピントを外した際にピントが前に行った場合、意外と軽いボケで済んで、何とか助かる写真になるのに対して、ピントが後に行ってしまった場合、救いようがなくなるのはこのせいです。

また被写界深度はレンズによっても異なります。
焦点距離の短い(数値の小さい)レンズほど被写界深度は深く、焦点距離の長い(数値の大きい)レンズほど被写界深度は浅くなります。
つまり、広角レンズになればなるほど被写界深度は深く、望遠レンズになればなるほど被写界深度は浅くなります。

また、絞りの開閉によっても変わってきます。
この場合、絞りを開く(数値を小さくする)ほど被写界深度は浅くなり、絞りを絞る(数値を大きくする)ほど被写界深度は深くなります。

つまり、

被写界深度
深い> 浅い とすると

撮影距離(例:m)
遠距離(∞) > 中距離(3m) > 近距離(1m)

使用レンズ(例:焦点距離…35mm版フルサイズの場合 mm)
超広角レンズ(20mm) > 広角レンズ(28mm) > 標準レンズ(50mm) > 望遠レンズ(135mm) > 超望遠レンズ(300mm)

絞り値(F値)
F32 > F22 > F16 > F11 > F8 > F5.6 > F4 > F2.8 > F1.4

という関係になります。


古いレンズの例ですが…
レンズに各絞り値の被写界深度の指標が付いていました。
中央の太目のラインの上の黄色がft、白がmの距離表示
太いラインの両側の小さな数字が絞り値を指します。
DSC03987.jpg
20mmレンズ

DSC03989.jpg
100mmマクロレンズ
20mmと比較すると、被写界深度が浅い事が判ります。

DSC03990.jpg
ズームレンズの場合、こうしたラインを引いて、指標にしてありました。



基本的に同じ焦点距離のレンズの場合、被写界深度の深さは変わりません。
ですから、標準レンズ(画角50°前後のレンズ)で比較した場合

スマホ > コンデジ > 4/3、μ4/3版 > APSC版 > 35mmフルサイズ版 > 645版
の順(センサーサイズが左ほど小さい)で、ボケ具合が異なってくる訳です。

つまり、同じ大きさの像を得た場合に、センサーサイズが小さいほど、焦点距離の短いレンズを使っている為に、被写界深度が深く画面全体がシャープになり、センサーサイズが大きいほど、焦点距離の長いレンズを使う事になる為に、被写界深度が浅くピントの合った場所以外がボケる為に主題が浮き立つ様になる訳です。

良く、大型のセンサーを使ったカメラを使う方が写真が綺麗だという人がいますが、これは主題を浮き出させるボケの効果を狙った場合に通じる事です。
でも画面全体をシャープに写したい場合には、決してこの限りではありません。
(大型センサーの方が有利な点は他にもありますが、この話からは外れるのでまた改めて説明します。)

言葉を変えると望遠レンズを使うと、ピントの合った箇所以外はぼやけて見える事になりますから、主題を浮き立たせる事ができます。
また、広角レンズを使うとピントの合った箇所以外もぼやける事が少なくなります。

ボケ味については焦点距離が長いほど効果が大きい訳ですから、センサーサイズが大きいほどその効果が大きくなるという訳です。

望遠レンズを使っても、被写界深度を深くしたければ、よりセンサーサイズの小さいカメラを選ぶべきですし、逆に主題を活かしたい、ボケ味を重視するならセンサーサイズの大きなカメラにするべきという事になります。

また、同じレンズであっても絞り値の設定で被写界深度は変わりますから、広角レンズであっても大きなセンサーサイズのカメラの場合、より美しいボケ味を楽しむ事ができるという事になります。

その昔、ピント合わせ不要のパンフォーカスカメラというカメラがありました(フィルムカメラ『写るんです』もこうしたカメラのひとつです。)が、こうしたカメラに取り付けられているレンズは広角レンズで、絞り値の小さいものでした。
そうする事で、深い被写界深度を得ることが出来、概ね1m以上の距離であれば、無理なくピントが合っている様になる為に充分実用的とされていました。
厳密にいうとボケが許容範囲内に納まっているので、問題なくシャープに見えるという事です。

DSC03993.jpg
写るんです(レンズつきフィルム)

DSC03994.jpg
フラッシュ無しの場合、1m~無限遠でピントが合うとなっていて、ピントの調整不要になっています。

結構、被写界深度の話は奥が深いのですが(深度だけに…!?)これを理解して極めれば、写真の絵作りが変わってきます。



比較テスト

各レンズと、絞りの値によって被写界深度の変化を見て下さい。
 ①カメラは35mmフルサイズ版です。
 ②ピントは3体目のフィギュアに合わせてあります。
 ③各フィギュアの最前列のものが概ね同じくらいの大きさになる様にしましたので撮影距離はレンズごとにそれぞれ異なります。
 ④フィギュアはこんな形に配置してあります。
DSC05052.jpg



広角レンズ(24mm)
2428.jpg
F2.8

2456.jpg
F5.6

2411.jpg
F11

2422.jpg
F22



標準レンズ(50mm)
5028.jpg
F2.8

5056.jpg
F5.6

5011.jpg
F11

5022.jpg
F22



望遠レンズ(200mm)
20028.jpg
F2.8

20056.jpg
F5.6

20011.jpg
F11

20022.jpg
F22



比較その2
望遠レンズで各フィギュアの違う位置にピントを合わせた時の見え方の差
(35mm版、200mm F8で比較)
DSC05050.jpg
最も前のフィギュアにピントを合わせた場合

DSC05049.jpg
真ん中のフィギュアにピントを合わせた場合

DSC05051.jpg
最も後ろのフィギュアにピントを合わせた場合

被写界深度が、
広角レンズほど深く、望遠レンズほど浅い。
撮影距離が前ほど浅く、後ろに行くほど深くなる。
絞りを開くほど浅く、絞りを絞るほど深くなるのがお解り頂けたでしょうか?

続く

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【2016/12/09 16:32】 | kumaのカメラ講座
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